03GoGo佐賀県!!!

波戸岬キャンプ場」を訪れたのは、1月17日の夕方の4時のことでした。

たき火にふさわしい絶景キャンプ場でたき火三昧TIMEを堪能したのですが、写真3枚目のアイテムは「LOGOS the ピラミッドマスター」。各パーツを組み立てるだけのセッティングも簡単で、ハードに使えるタフな素材が印象的でした。ソロタイプもあり。

そして、たき火旅は続きます。

呼子朝市でカサゴを売っていたおかあさん。カサゴの口は「買うて、買うて」と言ってるとの抜群のセールストークを聞かせてくれた女性です。「寒いですか?」と聞くと笑顔で「寒いですよー」。

その名も「イカ丸」は、7つの竈を並べたような洞窟の七ツ釜などが遊覧できるとのこと。そんな観光スポットも気になりますが、一番気になるのは、とにもかくにも呼子=イカなこと。遊覧船のフォルムがイカで名前もイカ丸ってなかなかのイカ推しです。

たしかに、唐津の夜(呼子町は唐津市にあります)に入った居酒屋でも生簀にイカが泳いでおり、活き造りされたイカは東京で見るものと違くて透明かつ甘かったのでした。しかも、ゲソを天ぷらにして出してくれて、それがまた超絶美味なのでした。

なぜ呼子のイカは美味なのか?

そして、たき火旅兼イカ旅は続きました。

呼子台場みなとプラザ内の直販場「大漁鮮華」の村上裕紀さん。元漁師さんで魚に詳しく、呼子のイカについてもいろいろと教えてくれました。呼子でとれるアオリイカやヤリイカもおいしいそうですが「なんといってもケンサキイカだよ!」(村上さん)。

呼子では、漁師さんが夕方から漁場に出かけて、集魚灯をつけながら一本釣りでGET。網での漁のようにイカ同士がぶつかりあったりもしないので、きれいでおいしいケンサキイカがとれるとのこと。

大漁鮮華の水槽にいたケンサキイカ。イカやカニは生きている時は1匹で、商品となると1杯と数えるんですって。ということは、この時点では1匹だったのです。すでに呼子朝市で食材としてのイカは GETしていましたから。

でもですね、プラス200円でその場でさばいてお造りにしてくれると知ってしまった日には……。

〝1杯〟1300円+刺身料金200円也。ウルトラ美味! 

うお、まわってる! イカ旅史上もっとも見たかったものに、キャンプ場へと車を走らせている途中で偶然にも遭遇できました。なにがまわっているかというと……。

イカです! 「いかぐるぐる」です! いや、適当に言ってるように読めると思いますが、本当にこの機械のことを「いかぐるぐる」と呼び、天日干しだけでなく、回転による乾燥で、美味なる一夜干しができるんですって。

そして、イカ旅は終わりを告げ、たき火旅は続きました。

たき火旅の終わりは、彼らでしめくくりたいと思います。LOGOSのスウェーデントーチを作っている「元気村富士」が佐賀県にあると知り、〝佐賀県〟と〝たき火〟というキーワードでなにかないかなぁとリサーチしている時に出会えたのです。授業でスウェーデントーチを作っている佐賀県の高校生がいるということに。

佐賀県立伊万里実業高等学校森林環境科森林コースの生徒たちでした。担任の田中泰平先生と相談を重ねて、1月16日に同校の農林キャンパスにおじゃますることになったのでした。

ちなみに、再編・統合される前の伊万里農林高校は、2009年の夏の甲子園に出場! 田中先生は同校の卒業生なのですが、先生の1学年下の野球部による偉業だったそうです。

さっそく、スウェーデントーチを作る授業を見学させてもらうことに。5人の生徒は、高校2年生です。チェーンソーの扱いは危険なので「チャップス」と呼ばれるズボンを必ず着用するとのこと。彼らが製作しているトーチは大、中、小、ミニの4種類。たとえば、大サイズは直径24cm以上×高さ30cmのものと決めているそうです。

佐賀県立伊万里実業高等学校森林環境科は、約27ヘクタールもの演習林を保有しているそうで、生徒たちは山に入って材木の切り出しをする授業もある(いつの日かその授業も見学してみたい!)。スウェーデントーチには、脂分の多い檜を選んでいました。

休み時間をはさんで授業は続きます。「次やる?」「無理っす」みたいな会話が聞こえてきそうな作業は、チェーンソーの刃を縦に入れる〝縦入れ〟と呼ばれる工程でのこと。チェーンソーの刃をまっすぐに入れるのが難易度高し!

すごいのは、彼らが作ったスウェーデントーチが、実際に売られていて販売実績がちゃんとあるということ。スウェーデントーチの大は800円、中は500円、火種の松ぼっくりやおがくずがサービスで付いてくるのもうれしい。

伊万里実業高等学校の生徒たちは薪の製作もしているのですが、実は「How toたき火!」で使用した薪は彼らが製作したものだったのです。写真の針葉樹5kg500円を取材後に購入させてもらって、How toしてきたのでした。

以前はワイヤーで薪を束ねていたそうですが、同校の畜産部門で使っている飼料袋を有効活用。持ち運びしやすく、薪の使用後はゴミ袋としても使えるよう工夫したそうです。実際の使用感は……正直言っていいですか? 火つきもよく、持ち運びもしやすく、めちゃめちゃ使いやすかったです!

授業が終わったあと、みんなのポートレイトを撮らせてもらいました。これがもうなんか最高でした。言語化できてなくてライター失格なのですが、〝なんか〟いいんだよなぁ、5人それぞれに個性があって。

写真左から、山口晃誠くん、川添晃明くん、吉永京伍くん、江頭明隆くん、中村碧くん。

そして、放課後。せっかくなので〝コラボ〟させてもらうことに。具体的には、 LOGOSのたき火台と彼らのスウェーデントーチでのコラボレーションです。

編集部が選んだたき火台は「LOGOS the ピラミッド篝火 XL」。田中先生の無茶ぶりで、説明書も見ずにノーヒントで組み立てていく彼ら。順調に組み立てていけたのですが、惜しい! わりと前半にセッティングすべき灰受け皿が(文字通り)宙に浮いてしまいました。

それでも、1ヒントで完成はすごいっす。たしかに「イエーイ!」です。

そしていよいよ「Let’sスウェーデントーチ番外編」のはじまりです。

彼らと雑談している時に、いまの17歳が好きなおすすめのエンタメを教えてもらいました。漫画『ワンパンマン』、音楽はOfficial髭男dism『Pretender』とスピッツ『ロビンソン』、そして映画は『すずめの戸締まり』。この冬のうちに、読んだり、聞いたり、見たりしてみようと思っています。

その時は言えなかったけど、元高校2年生&現おっさんな僕から彼らにおすすめな映画は『スタンド・バイ・ミー』でした。ある世代以上の映画好き&アウトドア好きあるあるなのですが、あの映画に登場するスキュアでよくわかんないものを焼くシーンが大好きで、彼らが特大フランクを焼く姿に、そんな名場面を思い出したからでした。

東京に戻って原稿を書くにあたって、まずはじめのしたこと。それは、彼らを見ていて感じた言葉を類義語辞典で探してみることでした。でも、その言葉自体が掲載されていません。つまりその言葉には類義語がなく、替のきかないワン&オンリーなものだということ。

彼らを見ていて僕が感じた言葉、それは「青春」でした。

おまけ。ぶらり佐賀県たき火旅の余談です。

たき火をテーマにしたからこその旅でしたが、ラストの写真は伊万里市の居酒屋でのもの。たき火旅はこの日から、すなわち1月15日からはじまっていました。写真右下のメニューで左端のちょっと切れちゃっている「呼子のイ」の続きはもちろん「カ」で、でもなぁ、2日後に呼子に行くからなぁとぐっと我慢した夜が懐かしいです。替わりにいただいた茶碗蒸し、最高でした。

不思議だったのは、そのお店で自分と同じ誕生日のひとに2人も出会ったこと。55年間の人生でひとりしか出会っていなかった4月22日うまれの人が一挙に2人も増えるだなんて。はじめての佐賀県で。テーマはたき火なのに。不思議な夜でした。

火熾しから出会いまで。

M-1準優勝コンビのさや香いわく「佐賀は出れるけど、入られへん」ところだそうですが、僕にとっての佐賀県は「出れるけど、出たくない」街ばかりが続いて、僕を困らせたのでした。

Index

01

How toたき火!

たき火旅企画のはじまりは、初心者の方に向けてのHow toです。火熾しから、薪の組み方まで。いえいえ、それだけじゃ終わりません。MAKIBI料理から、佐賀県を代表する呼子朝市での食材GETの様子、たき火関連アイテムまで。盛りだくさんの内容で紹介します。

02

Let’s スウェーデントーチ!!

もはやその人気は定着した感すらあるスウェーデントーチ。北欧で古くから親しまれ、長時間のたき火が楽しめます。そんな北欧チックなたき火をEnjoyしつつも、このパート最大のLet’sは MAKIBI料理と工場見学でした。ん? 工場見学? なぜにたき火旅が佐賀県だったのかという、月刊LOGOS史上最大の謎がついに明らかに!?

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